2009 年 12 巻 1 号 p. 62-71
鉛フリーはんだの濡れ性に及ぼす酸素の影響を検討するため,低酸素濃度の窒素雰囲気中で,はんだ液を銅基板上に滴下し,フラックス未使用状態での銅基板上におけるSn–3Ag–0.5CuおよびSn–9Znのはんだ液滴の接触角と表面張力の測定を行った。その結果,低酸素濃度域におけるSn–Znはんだの表面張力はSn–Ag–Cuはんだのそれに比べて極めて小さいにもかかわらず,接触角はSn–Znはんだの方が大きい傾向を示した。この理由としては,はんだの液滴最表面は金属融体と金属酸化物で構成されているが,その形態の違いに起因すると推定された。