エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文・技術論文
平滑アルミナ基板と無電解純Niめっき膜の密着性と内部応力との関係
伊藤 潔福室 直樹八重 真治松田 均
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2009 年 12 巻 2 号 p. 130-136

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抄録

平滑アルミナ基板と無電解純Niめっき膜の密着性の向上を目指し,基板/膜界面に作用するエネルギ収支の観点から,密着性と内部応力との関係を検討した。そのため,両測定における単位をエネルギ(J/m2)に統一することで理想的な付着エネルギの導出を試みた。その結果,ピールエネルギGpは膜厚依存性がみられ,ピールエネルギGpはいずれの純Niめっきにおいても膜厚が増加するにつれて,低下が見られた。膜厚0.2 μm以上では,柱状晶純Niめっきが最も高い値を示し,平滑アルミナ基板との高い密着性が得られた。理想的な付着エネルギである界面付着エネルギGadはピールエネルギGpと内部歪エネルギGinの和にはならず,さらに,曲げ変形エネルギGbend,弾性変形エネルギGel,破断エネルギGfを考慮する必要がある。柱状晶純Niめっきがナノ結晶純Niめっきと比べて高い密着性が得られた理由として,内部歪エネルギ(内部応力)の極小化による基板/膜界面の空隙発生の抑制および弾性変形エネルギGel,破断エネルギGfの極小化による基板/膜界面近傍の強靭性化によるものと考えられる。

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© 2009 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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