2009 年 12 巻 6 号 p. 511-518
低コスト化の観点より,STO(SrTiO3)薄膜容量の形成が可能な基板材料,電極構成,パターン加工プロセス技術の検討ならびに試作したSTO薄膜容量の高周波特性の評価を行った。その結果,(1)ポリイミドおよびガラスエポキシ樹脂へのSTO薄膜容量の形成が可能である,(2)Ru/STO/Cr–Cu 3層膜構成が有望である,(3)全化学エッチング技術によるSTO薄膜容量(膜厚300 nm)の一括パターン加工形成が可能であることを明らかにした。また,試作したSTO薄膜容量が,容量値10 pF,比誘電率17および容量密度500 pF/mm2で,10 GHzまで平坦な周波数特性を示すことを確認した。