2009 年 12 巻 7 号 p. 623-628
フリップチップ実装構造内では構造材料であるシリコンや金属バンプ,アンダーフィル,樹脂基板などの弾性率および線膨張係数の相違に起因して局所残留応力分布が発生する。この残留応力の変動振幅が局所的に最大で300 MPaにも達することを,三次元応力解析と試作したゲージ長2 μmのピエゾ抵抗ゲージを搭載したセンサチップを用いて明らかにした。また,Siチップ面内の直交二軸方向の垂直応力の値が変形拘束物となる金属バンプからの距離に依存して大きく変化し,チップ面内のバンプ配置位置に依存して二軸等方的な場が形成される場所と最大で150 MPa以上の差が発生する異方的な場が形成される場所が混在することも明らかにした。