エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文
チップ部品におけるはんだ接合部の信頼性設計手法に関する研究
き裂進展モードの解明とはんだ接合部の設計方法
高木 寛二于 強澁谷 忠弘宮内 裕樹野呂 幸弘
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2009 年 12 巻 7 号 p. 636-642

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抄録

本研究では,車載電装部品において疲労信頼性が最も重要視されるチップ部品の温度サイクル疲労寿命の挙動を検討するために,鉛フリーはんだ接合部の疲労き裂の発生と進展の実用的なシミュレーション手法を提案した。提案した手法を用いて,チップ部品のはんだ接合部に発生する複雑なき裂進展挙動を明らかにした。解析結果からはんだ接合部の形状が疲労き裂進展経路に対して大きく影響を与え,結果的にチップ部品の側面に沿って進展する経路とフィレット中を斜めに進展する経路に分かれることがわかった。また,フィレット中を進展する場合は,はんだ接合部の顕著な寿命低下が確認された。そして,はんだ接合部の形状と進展経路の関係を用いて,高信頼性のチップ部品の設計の考え方を示唆した。さらに,解析結果の有効性を実験結果を用いて検証し,本手法の有効性と他の種類のチップ部品への適用性を示した。

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© 2009 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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