エレクトロニクス実装学会誌
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特集/故障を予測するための信頼性技術の最前線
電子情報機器における故障予知と健全性管理
Michael Pecht
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2010 年 13 巻 7 号 p. 484-492

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抄録

Prognostics and systems health management(PHM)は,システムにおける設計・製造・環境および使用条件・維持の複雑さに起因して顕在化しつつある信頼性の諸問題を解決するための技術および方法論に関する分野の1つである。過去10年間,情報機器・電子機器を対象にして故障の早期警告,計画的な維持管理,システムの品質向上,寿命延伸および市場での不良におけるno-fault-foundの原因の1つである断続的な故障の検出などを可能とする手法としてPHMの研究が行われてきた。本稿では,電子情報機器を対象としたPHMの現状について述べる。PHMのアプローチとしては,故障モデルベースとモニタリングデータベースの2種類があるが,これらの手法はいずれも重要な欠点を含んでいる。ここでは,これら2つのアプローチを融合させた新しい手法(Fusion approach)について紹介する。Fusion approachの故障予知への実装の例として,プリント回路板に適用した事例を紹介する。

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© 2010 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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