2011 年 14 巻 2 号 p. 121-127
配線パターンの微細化にともない,樹脂の表面粗さを増加させることなく,樹脂基板とめっき被膜との接着力を向上させる技術が求められている。本研究では,樹脂基板と銅めっき被膜との界面に,中間層としてピロール系化学吸着単分子膜とポリピロール膜を導入し,樹脂基板と銅めっき被膜との接着力を向上することを目指した。処理したサンプルの断面をSEMで観察し,樹脂表面があれていないことを確認した。そして,接着力をピール強度試験で評価した。最大平均ピール強度は0.98 kN/mを示し,中間層がない場合と比較すると,約5倍となった。