エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文・技術報告
三次元IC間に挿入された配線体の高周波伝送特性
栗田 洋一郎本橋 紀和松井 聡副島 康志天川 修平益 一哉川野 連也
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2011 年 14 巻 6 号 p. 501-506

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抄録

性能向上や多機能化,消費電力削減のためLSIの三次元集積技術(Three-Dimensional Integrated Circuit: 3D IC)の必要性が高まりつつある。LSI積層プロセスのプラットフォームとなる三次元LSI用インターポーザは,三次元LSIと外部システムや,三次元LSIモジュール間の信号伝送に関しても重要な役割を果たす。今回,三次元集積技術SMAFTI(SMArt chip connection with FeedThrough Interposer)を用いてLSIチップ間に集積された薄膜配線体の高周波伝送性能を評価するため,各種の伝送線路パターンを設計・試作し,40 GHzまでの周波数についてSパラメータの測定を行った。SMAFTI特有のチップエッジ部を通過する配線について,特性インピーダンスを考慮した設計により伝送損失が低減されることを明らかにした。また,層間ヴィア,屈曲といった構造についても測定を行い,伝送損失が十分小さいことを確認した。以上より,三次元ICに集積した配線体が10 Gb/s以上の高速信号伝送性能を有し,メモリ/ロジック三次元化によるチップ間の高並列データ転送と,三次元モジュールと外部の高速入出力信号伝送を両立できることを明らかにした。

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© 2011 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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