2011 年 14 巻 6 号 p. 507-512
本論文では,ホットエンボスと研磨加工を用いたポリマーMEMSデバイス製作プロセスの開発について報告する。開発した製作プロセスは,まず2段構造のSi型を製作し,デバイス構造をホットエンボスにより成形した。その後,成形した試料と基板となるPMMA板とを表面活性化法により接合した。接合後の試料上面には,ホットエンボス後に残る残膜があり,これを研磨加工によって除去した。最後に,デバイス表面にAuをスパッタリングによってコーティングした。この製作プロセスを適用し,V字ビームをもつPMMA製熱駆動マイクロアクチュエータを製作・評価し,デバイス材料をSiとした場合に比べ10倍大きく変位することを確認した。