エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文・技術報告
線路間結合を考慮した多ポートSパラメータを持った拡張OSE法によるプリント配線板の高周波特性解析
井上 博文本城 和彦
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2011 年 14 巻 7 号 p. 555-565

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抄録

通信機器やコンピュータ機器,デジタル家電など電子機器の高速化・高密度実装化に伴い,プリント配線板設計においても高周波電磁界解析が利用されている。特にアンテナ,フィルタ,抵抗器,キャパシタ,インダクタおよび配線などの個別部品では,GHz領域の高周波での電磁界解析結果が測定結果とよく合うことがこれまでに実証されている。しかしながらプリント配線板実装自体は大規模回路であり,この回路全体の電磁界解析にはハイエンドのパーソナルコンピュータを用いても数日間を必要とするため,製造前にすべてを検証することは困難であった。この日単位の解析時間を時間単位に短縮するためには,一般には分割モデリング手法で各部分を等価回路にして回路解析する方法が用いられるがGHz領域の高周波解析精度が十分でなく問題であった。本論文では,時間がかかる電磁界解析に代わる分割モデリング手法として,これまでわれわれが提案してきた最適要素抽出法(Optimized Segment Extraction Method)に線路間結合を持たせ,多ポートSパラメータモデルとした拡張OSE(Enhanced OSE Method)を新たに提案し,ビア接続を持つ多層プリント配線板で解析時間と高周波解析精度について評価を行った。その結果,解析時間は構造全体を一括電磁界解析する場合に比べ約6分の1,解析誤差は伝送路の連続部で分割したときに5~8 GHzで0.5 dB以内となることを確認し,本提案手法の有効性を示した。

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© 2011 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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