エレクトロニクス実装学会誌
Online ISSN : 1884-121X
Print ISSN : 1343-9677
ISSN-L : 1343-9677
平成24年技術賞受賞講演
低消費電力1,060 nm 10 Gbit/s×12 ch並列光モジュール
那須 秀行根角 昌伸石川 陽三吉原 正和伊澤 敦上村 寿憲池永 賀彦
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 15 巻 6 号 p. 447-452

詳細
抄録

通信トラフィックの急激な大容量化に伴い,データセンタにおけるルータおよびサーバの大容量化が加速している。現在,数十メートルのラック間接続においても高速化を実現するために,従来の同軸ケーブルを用いた電気ケーブルに変わって,アクティブ光ケーブルが採用されており,その市場は急激に成長している。一方,次世代のボード間の高密度光インタコネクションでは,並列光モジュールをPCB上に高密度に実装する形態を有しており,数年度に急激に市場が立ち上がると予想されている。われわれは,AOCと高密度光インタコネクションに要求される実装形態に対応するために,はんだ実装が可能かつ,電気プラガブルインタフェースを用いてリプレースが可能な並列光モジュールの開発を行った。また,われわれは,高速変調,信頼性の向上,低消費電力化において優位点を有する1,060 nm VCSELを用いた光インタコネクションを提案しており, 伝送性能に関する優位性も報告してきた。特に,光リンクの消費電力では,駆動温度範囲において,6.4 mW/Gbit/s以下を実現した。さらに,実用化に向けて,1,060 nm 10 Gbit/s×12 ch並列光モジュールのはんだ実装性を検証し,信頼性試験を実施した。その結果,良好な特性を確認し,実導入が可能であると判定された。

著者関連情報
© 2012 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
前の記事 次の記事
feedback
Top