2012 年 15 巻 7 号 p. 526-533
本稿では,過去に提案したUWB用半円台形不平衡ダイポールアンテナの小型化を目的に,扇形と台形のペアの放射素子を有する不平衡ダイポールアンテナを提案し,電磁界解析およびアンテナ試作によって放射素子形状の検討および特性確認を行った。その結果,アンテナ各部の寸法を,扇形放射素子の半径12 mm,台形放射素子の上底12 mm,下底20 mm,高さ22 mm,扇形と台形放射素子の間隔0.4 mm,放射素子導体厚1.6 mmとした試作アンテナにおいて,3.0~15 GHzでVSWR≤2.0,比帯域幅133%を実現し,原形の半円台形不平衡ダイポールアンテナと比べて面積比で60%の小型サイズでありながら,同等以上のVSWR特性を有する良好なアンテナが得られた。