2014 年 17 巻 6 号 p. 484-491
GaN(ガリウム・ナイトライド)を使ったマイクロ波デバイスとパワーデバイスで,定常状態と過渡状態における熱シミュレーションを行った。有限要素法を用いて定常状態での温度分布と過渡状態での温度変化を求めた後,Foster型の熱等価回路モデルを抽出した。熱等価回路モデルは,デバイスの層数よりも回路段数を多くすることにより,高周波領域における温度変化を表現できる。このモデルをマイクロ波デバイスとパワーデバイスに適用した結果,それぞれに適したスイッチング周波数での温度変化は16.9°Cと1.7°Cであった。温度差の原因は,熱源の消費電力密度が異なるためである。