2017 年 20 巻 3 号 p. 140-147
電子部品マイクロ接合部の損傷度を抵抗変化から求めた等価き裂面積率F*を用いて簡易的に定量評価できる新たな非破壊検査方法を提案する。理論解析により抵抗変化とき裂面積率の関係式を導出するとともに,はんだ接合部について破面観察により実測したき裂面積率との比較を行い,提案法の妥当性を確認した。抵抗計測ユニットを均一迅速温度サイクル試験装置に組み込むことにより,多数の接合部,サンプル,試験条件について,熱疲労損傷の自動定量評価を行い,統計解析による信頼性評価が可能になった。提案法は熱疲労自動検査チップを内蔵する実用電子部品への応用も期待される。