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縮合多環多核芳香族系樹脂を用いた新規耐熱性低誘電率銅張積層板
那和 一成大北 雅一曽根 嘉久狩野 治之
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1994 年 9 巻 7 号 p. 490-496

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抄録

我々は, ピレン, フェナントレン, アントラセン, ナフタレンなどの縮合多環芳香族化合物を, プロトン酸系触媒の存在下において1, 4-ベンゼンジメタノールで架橋させて合成する縮合多環多核芳香族系樹脂 (改良型COPNA樹脂) を開発した。ナフタレンを骨格とする改良型COPNA樹脂は, 耐熱性 (Tg=250℃) , 低比誘電率 (εr=3.1: 1MHz値) , 低吸水率 (0.37%) といった特徴を有する。エレクトロニクス用高分子材料としての用途展開を期待し, 今回, ナフタレンを骨格とする改良型COPNA樹脂をマトリックス樹脂としたプリプレグを熱プレスで成形し, 新規なプリント配線板用両面銅張積層板を試作し, その特性を検討した。その結果, 本積層板は, 比誘電率が3.7~3.8, 耐熱性はガラスポリイミド材をしのぎ, 吸水率はガラスエポキシ材よりも低いといった特性を示すことがわかった。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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