1995 年 10 巻 4 号 p. 253-257
接点材料への応用を目的として, 比較的単純なアンモニアのみを錯化剤とする浴から得られた無電解Pd-Ni-Pめっき皮膜の構造解析および耐食性, はんだぬれ性, 電気抵抗特性の各物性値の検討を行った。ベースとしたPd-Pめっき浴から得られた皮膜は今回測定を行った中では, その浴pHが低くP含有量が大きいほど各物性値が優れていた。Niを共析させるとはんだぬれ性は劣化するものの, 耐食性にはさほど影響を与えず, 電気抵抗特性および内部応力には大きな改善がみられた。はんだぬれ性の劣化はNi酸化物によるものと考えられ, 耐食性および電気抵抗特性には皮膜の結晶構造が大きく関与することが示唆された。