エレクトロニクス実装学会誌
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ボリイミド表面化学および性状が界面破壊靭性値に及ぼす影響
雨海 正純
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2000 年 3 巻 7 号 p. 569-577

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抄録

半導体パッケージは, 高機能, 小型化, 低コストという電子機器および半導体デバイスの高機能や高速性などの性能を最大限引き出すため, 基板への実装部品として重要な役割を担っている。それに伴ってパッケージのI/Oピン数の増加, サイズの小型化, 軽量化, 薄形化を同時に達成することを必要としている。この要求を満たすために新しい技術であるChip Scale Package (CSP) の導入が図られてきた。Chip Scale Package (CSP) は, 金属, セラミックス, プラスチックス等の無機および有機材料が多く使用されており, その構造はきわめて複雑でかつ異種材料接着接合よりなる。強度信頼性の諸問題は多岐にわたるが, はんだリフロー工程および温度サイクルテスト後のパッケージ界面はく離問題が顕著に現れる。界面破壊は, 吸湿した水分の蒸気圧および異種材料間の熱応力により, 応力特異性の大きさが原因である。界面破壊に関する論文は数多く出されているが, ポリイミド材を塗布したチップ表面とエポキシ封止樹脂との界面はく離およびポリイミド表面化学・性状が界面破壊に及ぼす影響が議論不足である。そこで, 本研究では化学結合エネルギと物理単位が等価なエネルギ解放率 (G) の関数である応力拡大係数を用いて, 今まで論議されてこなかったポリイミド表面化学・性状がポリイミド材・エポキシ封止樹脂界面の界面破壊靭性値に与える影響を評価した。ポリイミド材・エポキシ封止樹脂界面破壊試験実施後, 有限要素法による応力特異場解析で界面破壊靭性値を求めた。また, ポリイミド表面化学・性状は, X線光電子分光法 (XPS) , 赤外分光内部反射法 (ATR) および原子間力顕微鏡 (AFM) を用いて特性化を試みた。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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