エレクトロニクス実装学会誌
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半導体デバイスの残留応力に及ぼす材料物性影響因子の熱粘弾性数値解析
中村 省三串崎 義幸村上 元木戸 光夫
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2002 年 5 巻 4 号 p. 379-384

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抄録

携帯情報機器に用いられている半導体デバイスを対象として, その構成材料であるエラストマの物性が熱残留応力や反り変形に及ぼす影響因子を理論的に検討した。すなわち, 半導体デバイスの構成材料であるエラストマの物性のうち, 弾性係数, ガラス転移温度および線膨張係数が半導体デバイスの熱残留応力と反り変形に及ぼす影響を, 熱粘弾性数値解析によって定量的に解明した。その結果, 半導体デバイスのLSIチップとエラストマの界面部に発生する熱残留応力を低減するためには, エラストマの物性値としては弾性係数を小さく, ガラス転移温度を高く, かつ線膨張係数を小さくすることが望ましい。また, プリント配線板とはんだボールの界面部の熱残留応力は, LSIチップ界面部のそれに比べて10%程度と小さい値となり, この部分からの界面はく離の発生の懸念は少ないことを定量的に明らかにした。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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