エレクトロニクス実装学会誌
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高周波用低誘電材料としてのポリフマレートの開発
武井-田村 美枝子加藤 行浩奥尾 雅巳山田 富穂高岡 利明天谷 直之長谷川 浩昭
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2002 年 5 巻 6 号 p. 587-590

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抄録

各種電子機器やコンピュータの処理速度の増加に伴い, より優れた特性を持つ電子材料の開発が望まれている。われわれは, いくつかのフマレート系ポリマーが既存のエポキシ樹脂に比べて優れた比誘電率 (εr) や誘電損失 (tanδ) のような電気特性を有することを見出した。これらのポリマーを絶縁層として用い, 2GHzにおける誘電率εr3.00, tanδが0.0048であるプリント配線板 (PCB) を得た。さらに, フマレート系ポリマーは約300℃の非常に優れた熱安定性を有するため, これらのポリマーで作られたPCBははんだ耐熱試験 (260℃, 120秒) をパスするなど, 低誘電率かつ高耐熱性能を必要とするPCBの材料として適している。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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