2004 年 7 巻 2 号 p. 136-140
近年の電子機器の小型化・多機能化に伴い, 搭載されている基板の内部配線やパッケージには, 高密度化・高集積化が要求されている。一般に, 電子機器に内蔵されるプリント配線板 (PCB) やパッケージ部品には, 絶縁物質として有機材料が多く使用されている。この絶縁体表面に優れた密着性を有する導体層を形成することは, 超微細配線を実現するために必要不可欠な重要な技術である。また, 次世代のより微細な配線形成においては, 平滑な導体層形成が要求される。これらの理由から, 従来のような酸化剤による樹脂表面の粗化を伴うことのない, 平滑な樹脂への導体形成法について検討した。その結果, TiO2共存下において紫外線照射を行うことで, 樹脂表面にカルボニル基が形成されることを見出した。この表面改質により, 銅めっき膜と樹脂との密着性が改善されることを確認した。このようにして粗化していない平滑な樹脂においても, めっき銅皮膜との間で, 1.17kgf/cmの密着強度が得られた。