2005 年 8 巻 3 号 p. 208-214
最上層にSn-Ag合金めっきを施してはんだ濡れ性を確保したBGA基板にSn-3.5Agはんだボールを接合し, せん断強度と引張強度をNiめっき層の有無によって比較した。Niめっきを施していない場合, リフロー時にCuがBGA基板から溶融はんだ中に溶出し, はんだボールのCu含有量がSn-Ag-Cu3元共晶組成を越えた。これに伴って150℃保持後にはんだの微小硬さが大きく低下した。Niめっきを施した場合, はんだ中のボイド形成が抑制されたため, せん断強度は上昇した。一方, 引張強度はNiめっきを施すことによって低下した。これははんだ/金属間化合物界面の強度を反映したものであった。