エレクトロニクス実装学会誌
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光触媒としてTiO2を用いたABS樹脂めっきのクロムフリーエッチング代替処理
別所 毅田代 雄彦杉本 将治本間 英夫
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2006 年 9 巻 6 号 p. 472-478

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抄録

ABS樹脂は, 家電部品や自動車などに応用され, プラスチックへのめっき材料として広汎に使用されている。一般的に, ABS樹脂は, 素材および析出金属問の密着性を得るために, H2SO4およびCrO3から成る強力な酸化剤によってエッチングする。近年, 環境汚染の規制は, WEEEやRoHS指令の文書に見られるように, 世界的に重要な関心事となっている。したがって, 有害物質を使用しない環境調和型エッチング技術が必要である。そこで, われわれは, クロム酸代替として光触媒である酸化チタンの使用に着目し, TiO2存在下で, UV照射を行うことにより, 有効な表面改質が可能であることを見いだした。本報ではABS樹脂中のブタジェン含有率を変化することにより, 密着強度の改善を検討した。その結果, ブタジェン含有率15~30%の範囲のABS樹脂で, 1.0kNm-1の密着強度が得られることがわかった。われわれはSEMおよびFE-TEM観察より, その密着性は粗れた樹脂表面なしで, ナノレベルのアンカー効果により得られることを確認した。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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