2007 年 70 巻 4 号 p. 306-311
本研究では,樹木による防火効果に関連する2つの事項について実験による検証を行った。1点目として,樹葉の温度は上昇する過程において 100℃付近で一時的に横ばいの傾向を示すことが明らかになり,100℃を超えるまでの時間は落葉広葉樹が比較的短く,常緑広葉樹は長く,タケ・ササ類は落葉広葉樹より長い傾向があることを確認した。また2点目として,受熱時の葉の形状変化は,樹種の違いによって著しく異なり,広葉樹では常緑樹と落葉樹とに差は見られないこと,針葉樹の形状変化は小さくタケ・ササ類は大きいこと,含水率と正の相関があり特に落葉広葉樹は含水率との正の相関が高いことが明らかとなった。