造園雑誌
Online ISSN : 2185-3053
Print ISSN : 0387-7248
札幌市における住民の緑地意識について (II)
緑地満足度と緑地指標との関係
浅川 昭一郎
著者情報
ジャーナル フリー

40 巻 (1976) 1 号 p. 18-28

詳細
PDFをダウンロード (1216K) 発行機関連絡先
抄録

住民の満足度を尺変とした緑地の計画目標設定に関する検討を行なう為,札幌市において昭和49年に行なった住民意識調査及び緑地現況調査より,居住地区における緑地満足度と緑地指標との関係を分析した。結果の概三要は次の如くである。
(1)住民の緑地に対する関心度に関連する,数種の質問項目の相互関係を分析することにより,関心の強さを強・中・弱の3ランクに分類した。これは緑地に対する基本的態度の強さを示すものと考えられる。また,この強さの判別に関与する諸要因を検討した。
(2)居住地区における緑地満足度に関しても,関連した数種の質問項目の相互関係を分析した結果,「非常に満足」から「非常に不満」までの5段階により評定された全体的緑地満足度が最も妥当なものとして採用された。
(3)この緑地満足度の判別に関与する諸要因を明らかにする為,数量化第皿類による分析を行った。その結果,緑地環境の相違に基づくとみられる地区要因の判別効果が,他の要因に比べて極めて大きく,緑地満足度と緑地指標との直接的関係を求めることの妥当性が示された。
(4)その直接的関係を回帰分析により検討すると,緑地、指標として樹木地率が重要であり,さらに他の緑被地率や非建ぺい地率などを加味する事によって,さらに望ましい結果が得られた。この場合,満足度の測定における「どちらともいえない:不明」層は曖昧性を示すものであるが,どちらかといえば潜在的不満層に近いものと考えられ,満足度の指標としては「非常に満足」「まあ満足」を合せた地区の「満足率」が用いられた。
(5)関心の度合は,満足・非満足の直接的判別においてさほど大きな効果を示さないが,関心の強い層はその満足度に緑地指標をより敏感に反映する傾向がみられ,将来の緑地計画目標の設定においては十分考慮される必要があるものと考えられる。

著者関連情報
© 社団法人 日本造園学会
前の記事 次の記事
feedback
Top