本題の園池という用語もまた一つの歴史性をもつ。園池がわが国の占文書『懐風藻』(751),『経国集』(827),『江吏部集』(1010) などに出てくる。ところで, わか国の古い『歴史書』の中で凡そ120年 (768-884) 間に亘って役所名として園池司の存在することか明白である。これは『正史』のほかにも『大金令』(701) や「令義解」(833)・「令集解」(868) などの律令関係文献にも見られる。しかも, 最近平城京発掘調査の過程で園池司の文字のある木簡も発見されたという。これまでそれかあまり言及されてはいない。しかし, それはわか国の造園史ヒ看過出来ない重要な意味をもっているので, いささか, これを究明致したいと思う。