本論は, 公園整備の推移分析に基づく計画手法研究の一報である。今日, 都市の公園整備が多面的に展開されているが, 都市計画の実際に直面したとき, 公園計画の手法開発の遅れを感じる。と同時に整備の方向を定める思想の欠落に気付く。筆者はこれらの解決にとって, 過去の整備の歴史の分析が効果的であると認識している。つまり, この種の手法開発には, 現実の都市を対象に公園整備の動向を都市化の流れと対応させて考察する史的研究の手法が有効と考える。本研究では世田谷区を対象に公園整備史を作成する手段を通じ, 公園整備に関わる時代的な特異点を都市化の推移と対応させて考察し, 公園計画の手法を体系として整理した。