明治初期における公園の特徴は, 公園地の主たる撰定基盤が官有地に置かれていた。 その為に官林地化された社寺境内地及び城跡地にも公園の基盤が求められたのである。 しかし, 官林地の取扱が内務省地理局から農商務省山林局に委ねられると, 森林法の適用外とされた官林地公園の性格は, 森林法で規定する保安林の中に潜在的な基盤を見出すようになる。 そして, 官林地公園は, 公園の公益性から保安林の解除を求めざるを得ない状況となり, 保安林との関係が森林法の改正につながって行く中で新たな段階を迎えた。 この結果, 大正期における官林地公園は, 一時的な保存林的性格から森林法が適用される永続的な公園制度の実現に至ったものである。