造園雑誌
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トンボの種類からみた水辺緑地計画の指標に関する予備的考察
長田 光世森 清和田畑 貞寿
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1992 年 56 巻 5 号 p. 151-156

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抄録

本研究は, 生態学的な水辺緑地計画の視点から, 計画指標となりうるトンボの種の把握を目的に, トンボの生息環境としてきわめて良好な環境である桶ケ谷沼におけるトンボの優占種の検討を行い, それを基礎とした複数の池の比較考察を行ったものである。その結果, トンボ科の広域分布種について.環境復元の段階的な発展に伴い種を4段階に分類し, それぞれ有効と推定できる指標種を提示した。また, 特にチョウトンボは, 池を中心とする水辺緑地の多様な構造に対応して個体数密度を増加させ, さらに最もトンボ相が豊かになるような多様な構造をもった水辺緑地では, 夏期調査時のトンボ科全体に対して最大の優占種となる指標性をもつことが把握された。

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© 社団法人 日本造園学会
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