造園雑誌
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立花および盆栽と庭園植栽意匠との関わりに関する史的考察
村上 朝子藤井 英二郎
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1993 年 57 巻 5 号 p. 25-30

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抄録

立て花から発展した立花は, 仏教の影響を残しながら, 自然を象徴的に表すことがその主眼とされる。その構成には自然界の理や縁に準拠しようとする考え方がみられ, それは作庭の基本的な考え方や, その具体的な展開にも通じる。遠山の景色を象る立花に比べて, 目前の景気を表す砂の物の表現はより具象的で, 庭園における写景に類する面をもつ。細部の意匠を大切にする点で砂の物と近景の植栽意匠にみられる意識は類似し, この意識は盆栽ともつながるが, 盆栽には盆中に理想の風景を看て, そこに心を遊ばせるという鑑賞姿勢がみられる。この姿勢は, 空間の中に実際に身を置き, 人と空間とが一体化できる庭園の鑑賞姿勢とっながるものである。

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© 社団法人 日本造園学会
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