造園雑誌
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千葉県立園芸専門学校における「庭園論」と校庭整備の関係について
西村 公宏
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1993 年 57 巻 5 号 p. 37-42

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抄録

千葉県立園芸専門学校では, 創立当初から「庭園実習」による校庭整備が進められると共に, 第3学年を対象に「庭園論」が講じられている。この「庭園論」を, 初代担当の鏡保之助は美学の立場から論じ, その後を受けた本郷高徳はさらに国土修飾の視点も加え充実させるが, いずれも (洋風) 庭園を近代化にふさわしい開放的な空間と捉えていた。
実際の校庭整備は, 明治期の上流邸宅の庭園整備を手掛けた林修巳の経験に負うところが大きく, 実習見本園的性格を有していたが, 地方に対して開かれた「楽園」としても位置付けられており, その公園的性格の背景に「庭園論」を指摘することは可能であろう。

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