1994 年 58 巻 5 号 p. 165-168
市川市の市街地に残存するクロマツ高木群を対象として, これらの「見え」のタイプを明らかにし, 住宅地景観に及ぼす影響を考察することを試みた。まずクロマツの分布構造の分析を行い, 分析対象エリアとの位置関係と高度を変えて視点を設定, 写真を全176景撮影し, 分析対象とした。続いてクロマツ高木の「見え」をその纏まりの程度と敷地及び街路との関連から15のタイプに類型化した。これに基づき, 先に得た写真から抽出したクロマツ高木の「見え」を集計した結果, 各エリアにおける特徴的なクロマツ高木の「見え」があることや, その中には分布構造を示す指標だけでは把握できないものがあることが明らかとなった。