ランドスケープ研究
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ウマノアシガタの生育・開花に及ぼす刈取りの影響
近藤 哲也
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1995 年 59 巻 1 号 p. 37-40

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抄録

耕作放棄地に美しい群落が観察されたウマノアシガタの刈取り管理方法を鉢植え個体を用いて検討した。ウマノアシガタは5月上旬から中旬にかけて開花し, 夏以降, 株の大きさは徐々に小さくなった。開花前の4月中旬に刈り取ると, 開花数, 結実花数は減少し, 開花盛期の5月中旬に刈り取ると, その後は開花しなかった。開花終了後の6月中旬以降に刈取ると花数や結実花数への影響は無かった。年3回の刈取りでも, 地下部の現存量は, 植え付け時の2.5倍になったため, 消滅に至るほどの影響は無いと判断された。したがって, ウマノアシガタの開花数を確保し, 実生による自然更新を期待するための刈取り適期は, 開花, 結実の終った6月中旬以降と判断できた。

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© 社団法人 日本造園学会
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