1996 年 60 巻 1 号 p. 61-64
阪神大震災後, 神戸市を初めとして阪神間の各市で区画整理事業等の都市計画事業が策定された。また各地におけるまちづくり運動やそれらの支援活動が始動した。当報告では各地のまちづくり運動に見られるランドスケープの位置付けを, 住民行政の双方からの動きをとらえて分析した。さらにみどりに関する住民の意識調査を行った。その結果, 重点復興地域にみられる住民と行政の意識の差が考察されたが, 住民のみどりに対する意識自体は震災後, 大きな高まりをみせ, みどりの効果が再認識されていることが明らかになった。ランドスケープの専門家はこのような状況を踏まえ, 住民と行政双方の橋渡しの役目を果たしていくことが必要とされている。