総理府が1983から95年にかけて実施した緑に関する世論調査の結果からつぎの点をみた。調査は選択肢を呈示し, 該当事項を選ばせ, 回答させている。1) “快適な生活環境における重要な要素” として回答量を増やしてきた “豊かな緑” が, 91年調査から95年調査にかけて回答量を減らしている。2) 緑への回答量が全体的に増えるなかで都市的・施設的な緑で減少するものがあり, 91年調査から自然指向への動きが顕著にみられるようになる。ただし, 3) “大都市” では自然指向への動きは “守り増やしたい緑” で顕著に現れるが, 日頃よく “見受けられる緑” でははっきり現れていない。そして, 2) ~3) の知見をもとに, 1) の原因についての考察を行った。