ランドスケープ研究
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移築された近世城郭建築遺構の保存に関する研究
内田 和伸
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1996 年 60 巻 5 号 p. 459-464

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抄録

明治以降に移築された近世城郭建築遺構 (以下移築遺構と呼ぶ) 276件の内, 社寺や民家にあるものを除いた70件について, その種類や保存状況の調査を全国的に行った。調査結果から移築遺構の保存のために必要な原則を5つ例示した。1.移築遺構の建造物調査および本来位置の発掘調査により移築遺構の改変状況や歴史的文化的意義を明らかにすること, 2.城内への移築時には移築遺構だけでなく, 地下および地上遺構の保存を図ること, 3.本来位置になくても現状の歴史的景観・文化的利用状況を評価すること, 4学校施設では生活史的視点からの評価すること, 5.まちづくりに積極的な意味を持たせること, である。

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