1996 年 60 巻 5 号 p. 489-494
インドネシアのプカランガンは, 種多様性が高く多様な機能を有する庭としてよく知られているが, 近年における相続による庭の細分化と庭の利用の変化がその植生構造に影響を与えているものと考えられる。本研究では, 西ジャワ農村地域の庭を対象として, 庭の面積, 伝統的な庭の利用を指標する養魚池の有無, 所有者の職業, および, 行政によって庭に導入された苗畑の有無が, 出現種数をもとにした種の豊かさに与える影響を検討した。その結果, 植生階層ごとの種数には庭の面積が最も人きな影響を与え, 植物の利用形態ごとの出現種数の割合には庭の面積と養魚池の有無が人きな影響を与えることが明らかとなった。