武蔵野台地では, 踏圧により土壌が堅密化し, これによって林床植生が衰退したコナラニ次林が存在する. これらのコナラニ次林について, 林床植生と土壌硬度の関係を調べた. 解析の結果, 低木層の植被率及び出現種数と土壌硬度との間には負の相関があった. また, 低木層の植被率が低く, 出現種数が少ない調査区群においては, 草本層の階層高, 植被率及び出現種数と土壌硬度との間に負の相関があった. シラヤマギク, ノハラアザミ等の植物が, 土壌硬度値5-20mmの調査区にだけ生育するなど, 土壌硬度に対する指標性を有する種群が存在した.