ランドスケープ研究
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都市近郊におけるコナラ林の組成および構造について
加藤 和弘一ノ瀬 友博大久保 悟
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1996 年 60 巻 5 号 p. 539-542

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抄録

埼玉県所沢市西部の小手指地区のコナラ高木林17ヶ所に40の調査地点を設け, 植生の組成と構造を調査して今後の植生遷移の可能性を考察した. 高木中ではコナラの個体数が多かったものの, 亜高木中ではエゴノキの個体数が多く, コナラの個体数はその2割弱であった. 調査地一帯では, コナラ林はやがてシラカシ林へ遷移すると言われているが, 低木や稚樹中には確かにシラカシの個体が多く見られ, コナラはほとんど見られなかった. 加えて, ヒノキも多くの個体が低木や稚樹として見られ, 亜高木や高木の個体もあった. 種子を供給する母樹が林内にあることもあって, ヒノキがシラカシと競争しつつ今後の植生で優占する可能性は否定できない.

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