ランドスケープ研究
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関東大震災後の東京のオープンスペースにおける罹災者収容の展開
安場 浩一郎
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1998 年 62 巻 5 号 p. 449-452

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抄録

関東大震災後の東京のオープンスペースにおける罹災者収容の展開を明らかにするため公園・広場等での罹災者収容の実態と, それをめぐる言説について考察した。その結果, 震災後, 公園・広場は罹災者の避難地となり, その後も収容施設の用地となったが, それらのバラックはあくまで応急的なものであり, 震災から2年足らずで撤去されたことが明らかになった。公園等における罹災者の収容においては,「風紀」の乱れや労働倫理の低下が問題になっており, バラックによる住居等の保障は, これらの資本主義的な労働倫理を乱すものとして警戒されたということがわかった。

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