ランドスケープ研究
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朝鮮時代の王宮・昌徳宮の演慶堂における庭園と建築の関係について
張 美娥藤井 英二郎李 相都
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1999 年 63 巻 5 号 p. 393-398

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抄録

本研究は, 昌徳宮の後苑に位置する朝鮮時代の上流住宅である演慶堂を対象にし, 庭園と建築の関係について検討した。演慶堂内の主な建物である舎廊棟・内棟, 善香斎は各々尾根の流れを背後に受け止める形で配置されている。それ以外の付属的建物は舎廊棟・内棟の平側・妻側からなる建築線に従う形で配置されていることがわかる。また, 庭園を区切る塀は, 舎廊棟・内棟と, 善香斎がなす建築線に従っている。これらのことにより, 庭園は大きく二つの軸をもつ構成になっていることがわかる。それぞれの庭園は, 建物の内部空間の性格を反映し, 段を設けて立面的にも明確な区切りがなされている。このように庭園と建物は密接な関係をもち, それが固定される特徴がある。

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© 社団法人 日本造園学会
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