ランドスケープ研究
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丘陵地の植生構造が繁殖期の鳥類に及ぼす影響について
森田 健吾葉山 嘉一
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1999 年 63 巻 5 号 p. 505-508

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抄録

都市近郊における樹林地での管理手法が求められている現在, 樹林の生息空間構造の関係を把握することは重要である。本研究は丘陵地の公園において, 樹林構造の相違による鳥相の変化を把握し, 管理計画策定のための基礎資料を得ることを目的とした。調査は神奈川県立七沢森林公園で異なるタイプの樹林12ケ所を対象に, 繁殖期の4月から6月に鳥類と植生の調査を行い検討した。その結果, 個々の種によって選好する環境が異なり, 樹林タイプごとに鳥類の種組成が異なること, 草本層の植被率が鳥類の個体数増加や疎林性鳥類の生息に影響を及ぼしていること, 鳥種の多様化に複数の要素が影響する可能性と繁殖期の低木層密度の重要性が示唆された。

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