1999 年 63 巻 5 号 p. 527-530
多摩川中流域の河川改修後の低水路護岸3箇所において, 1998年8月の増水によって堆積した土砂と植物遺体に含まれる種子を実生発生法により同定したところ, 6t種の実生が確認され, そのうち28種46%は帰化植物であった。1999年5月と8月に行った群落調査においても出現種の多くが帰化植物であった。
河川改修時の低水路護岸の緑化は, 人工的に植栽をしなくても増水時の種子供給により可能であるが, 帰化植物の扱いについての十分な検討が必要であることが示唆された。