本研究は, 従来の景観研究において対象とされることのなかった視覚障害者を被験者とし, 彼らの緑地における空間認知の実態についてみた。平成10年7月に予備調査を行い, 同年8月から11月の晴天日を中心に本調査を新宿御苑にて実施した。被験者は, 日常単独で行動できる20代から60代までの先天盲者24名である。調査は経路上の16地点で各空間について評価, 説明してもらった。その結果を周辺状況の建築物及び樹木の認知度SD法による緑地空間の評価としてまとめた。各空間に対する評価はクラスター分析にかけた上で, 視認的空間の類型化と比較分析した。よって本研究から, 視覚障害者の緑地の空間認知についての知見がえられた。