ランドスケープ研究
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生活・生業の場としての歴史的風景保全の研究史に関する考察
温井 亨
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2000 年 64 巻 5 号 p. 457-460

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抄録

本研究の目的は, 生活・生業の場としての歴史的風景を保全するための研究の歴史と, その現在の傾向・動向を探ることである。そのために, 主として建築学会, 都市計画学会, 造園学会の学会誌・論文集を創刊号より分析した。その結果, このような研究が現れるのは1980年代からであるが, 大正~ 戦前期の民家研究, 1960年代後半からの町並み保存が前史として重要であることを明らかにした。1980年代以降の研究の傾向・動向では, 1. ここ10年間で論文数が非常に増えたこと, 2. 特に村落を扱った論文が増えていること, 3. 生活・生業を扱ったものが増えたこと, 4.風景保全の施策やその効力を検証する実践的な研究は少ないが, 後者はここ5年に町場で急に増えたことを見出した。

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© 社団法人 日本造園学会
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