近年, 都市近郊林の保全・活用に向けた様々な施策が講じられているが, 本稿では大阪府高安山を事例とした都市近郊林利用の変遷などを通じて今後の保全に向けた基礎条件を検討した。その結果, 特異な空間価値がなくとも, 館0館自然環境の多様性が確保されていること, 館 (2) 多様な利用の蓄積がみられること,(3) 都市住民による関わりが継続していること, の諸点が当該近郊林の価値として捉えられ, こうした価値を評価することによって, 地域毎に特徴的な近郊林保全の実効性が高められることが明らかになった。