ランドスケープ研究
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19世紀のアメリカ風景画にみる大自然へのまなざしの特質と国立公園との関連性
西田 正憲
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2001 年 65 巻 5 号 p. 407-412

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抄録

19世紀のアメリカの風景画に見出される大自然へのまなざしの特質を明らかにし, アメリカの国立公園の成立にもこの同じ大自然へのまなざしが働いていたことを考察するものである。風景画を作品内容, アメリカ美術史, ヨーロッパ風景画との相違, 背後にある思想の観点から分析を行い, 風景画にみられる大自然へのまなざしの特質を壮大なウィルダネスの景観への指向, パノラマの視覚, 崇高と汎神論の思想として明らかにし, 国立公園にも分析を加えて同じ特質が認められることを考察した。19世紀のアメリカにおいて, 大自然へのまなざしとも呼ぶべき大自然を捉えるアメリ力固有の風景観が独特の風景画と国立公園を生みだしていたと指摘できる。

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