ランドスケープ研究
Online ISSN : 1348-4559
Print ISSN : 1340-8984
ISSN-L : 1340-8984
屋久島の国立公園指定に係る経緯と社会的背景
佐山 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 65 巻 5 号 p. 417-420

詳細
抄録

本論は屋久島地域の国立公園指定の経緯を辿り, 霧島国立公園編入に至った社会的背景について明らかにする。当初, 硫黄島を含む屋久島は霧島国立公園, 錦江湾国定公園とは別に屋久島国立公園として指定される方針であったが, 屋久島における国有林施業との調整等, 困難な課題があった。その後, 当時の観光政策の状況や既存国立公園に新たに地域を追加するという国立公園指定の潮流に沿った方針に変更される。一方で, 国有林施業との調整に見通しが立ち, 併せて硫黄採掘が進められていた硫黄島の指定を断念した。そして, 水力発電開発との調整も進み, 最終的に広域的利用を前提に錦江湾国定公園を挟み, 霧島国立公園に編入されたと指摘できる。

著者関連情報
© 社団法人 日本造園学会
前の記事 次の記事
feedback
Top