ランドスケープ研究
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チョウ類群集及び植物との関係からみた立地環境の異なる水田地域の生息地としての評価
川村 みゆき大窪 久美子
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2001 年 65 巻 5 号 p. 547-552

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抄録

水田地域の生物生息地としての評価を目的とし, 長野県上伊那郡の5地区において, チョウ類相をルー トセンサス法で調査をした。チョウ類が吸蜜した植物についても記録した。中山間地では総種数, 総個体数が多く, 多様な生息環境の存在が考えられた。中山間地未整備水田では多様度指数 (β) が高く, 同じく基盤整備水田では最も低かった。中山間地では環境評価値が高く, 市街地では低かった。中山間地では総吸蜜頻度と吸蜜植物種数が多く, 中山間地未整備水田では全吸蜜植物中の在来種割合が高く, 同じく基盤整備水田では最も低かった。基盤整備や市街化がチョウ類群集のみでなく, 植物との関係性にも変化をもたらしていることが指摘された。

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