抄録
本研究は, ロンドンにおける都市自然 (緑地) の分布構造と, その緑地の保全活動を支えている環境NPOの活動内容及び活動空間の特徴を比較分析したものである。研究の結果, 次のような点が明らかになった。(1) ロンドンの自然的緑地率は, 周辺区が都心区の3倍強と高い。(2) ロンドンでは, 環境NPO団体であるBTCV LondonとLWTによる緑地保全のための維持管理活動が活発であるが, 両者は目的や行動理念が異なるものの, その活動にはその支部組織の有無などと関係して地域差がある。(3) 両者の活動地域は空間的に偏在しており, 必ずしも自然的緑地率の高い周辺区に活動が卓越する訳ではない。