腸内細菌学雑誌
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Lactobacillus plantarumを用いて調製した発酵乳の生理機能II
便秘気味の成人の排便回数に及ぼす影響
戸羽 正道久米村 恵宗行 哲曽川 芳郎吉澤 久雄矢島 洋一松田 豊飯島 肇
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2001 年 15 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
排便回数が週に4回以下の便秘気味の成人 (平均年齢40.3歳) 16名を対象に, Lactobacillus plantarumONC 141株を用いて製造した発酵乳を1日300mlずつ3週間継続して摂取させ, 排便回数を主要評価項目とし, あわせて便性, 糞便細菌叢に及ぼす影響を検討した.発酵乳の摂取に伴い排便回数の有意な増加を認め, 本発酵乳を継続摂取することで便通改善作用のあることを認めた.糞便の硬さ, 形, 色および排便時の爽快感は, 摂取前に比較し摂取後にいずれも改善する傾向がみられた.Bifidobacteriumの菌数および占有率が増加する傾向を示す一方, Enterobacteriaceaeの菌数は低下する傾向を示した.糞便中腐敗産物量および糞便pHは変化しなかった.発酵乳摂取に伴い特に問題となる臨床症状は認められなかった.以上の結果から, 本発酵乳の継続摂取は便通改善作用, 便性改善作用および糞便細菌叢改善作用を有すると考えられた.
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© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
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